良い取引の条件

不動産投資を含め、あらゆる投資の取引における、署名するか拒否するかという最終的な判断の材料には、守るべき大原則があります。この原則を通して取引の内容を吟味するならば、良い取引と悪い取引の中間の、グレーゾンに属するよう取引というものは、ありえないと言っても良いほどのものです。

とても単純なことです。悪い取引においては、収支のつじつまが合わない。また、良い取引では、収支のつじつまが合う。これだけです。いうまでもない、単純なこと、大原則じゃないか、と思われる人もいると思います。

しかし、この誰が考えても取引の好悪を決める最重要事項であろう、この原則を、いかに多くの投資家たちが、忘れてしまっていることでしょう。これまでの物件の運用実績ではなく、売主の言い値を基準に判断してしまう……このような誤った判断が、日々、多くの「悪い取引の成立」を生み出しているのが現状なのです。

予想される収入から、あなたがその取引において支払う全てのコスト、つまり総支出を差し引いて得られる、トータルでの利益の予想を立てる、このような非常にスタンダードな行動を省略してしまうことで、とても抽象的で安全性の低い取引に、サインしてしまうことを、とにかく避けましょう。

売り手は、当然ながら、理想的な価格を申し出るものです。あなたは、その事実を念頭に置いて、売り手の言い値を無批判に受け入れないよう、心がけなければなりません。あなたが売り手に提案する価格は、あなたがリサーチしたデータから算出した、あなた自身による物件評価額であるべきと言えます。あなたは物件に関して、様々なデータを集め、自らの目で物件を見て感想を抱き、自分なりの価値観を有しているはずです。相手の言い値は、そのようなあなた自身の算出した価格との、比較の一サンプルでしかありません。